染と織地域別辞典

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読谷山花織(よみたんざんはなおり)

産 地

沖縄県中頭郡読谷村

特 徴

南国独特の花柄や幾何模様を浮織にした紋織物。
紺、白、赤、黄、緑の五色の色糸を用いる。文様の部分だけに色糸を織る技法を手花(ティバナ)織あるいは縫取り織といい、紋綜絖を用いて浮織にする技法を綜絖花(ヒヤイバナ)織という。
柄には、銭花(ジンバナ)、扇花(オージバナ)、風車(カジマヤー)をもとにした数種類の幾何模様の花柄、そして絣、縞、格子を組み合わせたものがある。
原糸は木綿糸がおもだが、芭蕉や麻絹の交織などもある。
糸は純植物染料で染める。

用 途

着尺地、細帯、手巾(手拭いの一種)など。

変 遷

ミャンマー、ジャワなどの南方から伝わった織物と考えられている。
五百五十年ほど前に琉球王朝の御用布に指定され、首里の貴族と読谷の人々だけが着用を許された。それ以外の一般庶民の着用は禁じられていた。明治時代まで織られていたが、明治末期から昭和にかけて生産が途絶えた。
昭和三十九年に役場の指導で復活、伝統工芸品として年々、活気を増している。

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