染と織地域別辞典

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谷和原木綿(やわらもめん)

産 地

茨城県筑波郡谷和原村

特 徴

正藍染の縞木綿。
もとは紺無地の織物で農作業着として用いられていたが、北島正藍研究所により、現在は伝統的な藍唐桟縞を現代感覚で再現した着物になっている。

用 途

着尺地。

変 遷

野良着が藍染であるのは、藍の匂いと成分が虫除けにも化膿止めにも有効であるという理由による。綿の栽培がさかんだったこの地方では、各農家が自作の綿花を紡いで糸にし紺屋に藍染を依頼していたため、江戸末期には三百軒に二軒の割合で紺屋があったという。
谷和原の北島正藍研究所も、もとは伝統のある紺屋のひとつである。農村の衣生活の変化により廃業寸前に追い込まれたとき、勧めにより百本の藍瓶を公開、藍染愛好者に利用させることで研究所として復活した。

谷和原木綿(やわらもめん)画像01 谷和原木綿(やわらもめん)画像02

染色法

*藍建て 地藍のすくもを土間に埋めた藍瓶に入れて行う。
*染色 藍汁に浸した糸を引き上げて絞り、風を通してまた浸す。濃い色を出すためには、これを十七、八回繰り返す。水洗いは、なかばで一度、最後に一度行う。色の濃さは、淡色から、瓶のぞき→水あさぎ→あさぎ→濃いあさぎ→納戸→下紺→中紺→上紺の順である。