染と織地域別辞典

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南部古代型染(なんぶこだいかたぞめ)

産 地

岩手県盛岡市

特 徴

正藍や植物染料(紫紺、茜など)を用いて、木綿や紬に型染をしたもの。南部藩政時代に武士の裃や小袖に染めた型を活かしているのが特徴。深みのある美しさをもつ。 図柄は、小紋、絣、南部竹割(南部家の紋章)など三百種類ほどある。

用 途

帯地,インテリア

南部古代型染(なんぶこだいかたぞめ)

変 遷

起源は、甲斐国(山梨県)南部郷の染師で、領主南部家の旗指物や陣羽織を染めていた蛭子屋善助にさかのぼる。
南部家は清和源氏の流れをくむ豪族で、三郎光行のとき源頼朝の奥州征伐に従い功をあげ、甲斐から八戸に移住した。善助は、光行の子孫・義光のときにお抱え染師となった。
寛永一〇(一六三三)年に南部藩が盛岡へ移封されたときに、善助の子孫もともに移り住み、南部古代染染元の初代を称した。現在の染元、蛭子屋小野三郎氏は十六代目である。
古代型染は、一枚型での型染が続けられている。型染に用いられる型紙は代々うけ継がれ、当主たちは同時にその型彫り技術もうけ継いできているので、型染の模様は数百年という歴史を感じさせる。

染色法

おもに正藍を用い、引染(刷毛に染料を含ませ地色を染める方法)する。